再生プラスチック(リサイクルプラスチック)とは
再生プラスチック(リサイクルプラスチック)とは?
再生プラスチック(リサイクルプラスチック)は、使用済み製品や製造工程で発生した端材・不良品などを「再び原材料として利用できる状態」にしたプラスチックを指します。
しかし、どの範囲を再生に含めるか(プレコンシューマ/ポストコンシューマ、同一工程内リユースの扱い、熱回収をリサイクルに含めるか等)は、制度・統計・用途(特に食品接触)で差が出ます。

再生プラスチック(リサイクルプラスチック)の分類体系
再生プラスチックの分類は、以下の分類を行うと工程設計と品質議論が整理しやすくなります。
(A) ポリマー骨格を維持したまま再利用する系(マテリアル/メカニカル、溶解系)
(B) ポリマーを分解して原料に戻す系(解重合・油化・ガス化等のケミカル)
(C) エネルギーとして回収する系(サーマル/熱回収)
食品接触の指針でも「物理的再生処理」「化学的再生処理」が明確に区別されています。
手法別の比較表(特徴・向き不向き)
| 区分 | 代表プロセス | 得られるもの | 主な適用樹脂(例) | 汚れ・混合への耐性 | 品質・用途の傾向 | 主な強み / 主な限界 |
| マテリアル/メカニカル(物理的再生) | 選別→洗浄→粉砕→溶融→ろ過→ペレット化 | 再生樹脂(ペレット) | PET, PE, PP, PS など(単一系が有利) | 低〜中(単一材・低汚染が有利) | ダウンリサイクルになりやすいが、PET等は水平化が進む | 強み:既存設備でスケールしやすい/限界:混合・臭気・物性ばらつき |
| 溶解(溶媒系溶解リサイクル) | 選択溶解→不溶物除去→沈殿/再析出→乾燥 | 精製ポリマー(樹脂) | PP, PS, PVC等で技術開発例(設計に依存) | 中(溶解選択性で分離可能) | ポリマーは維持しやすく、高品位化が狙える | 強み:添加剤・汚れ分離のポテンシャル/限界:溶媒回収・安全・コスト |
| 解重合(モノマー化) | 加熱・反応でモノマー等に分解→蒸留・結晶化等で精製→再重合 | モノマー/中間体→バージン同等樹脂 | PET/ポリエステルが中心 | 中(色素・不純物除去に利点) | 高品位(バージン同等)を狙いやすい | 強み:水平リサイクル適性/限界:反応・精製コスト、回収インフラ依存 |
| 油化(熱分解・超臨界等) | 熱分解等→生成油→既存精製/クラッカー原料化 | リサイクル生成油→石化原料 | 混合プラを含む | 中〜高(混合・汚れ側に寄せられる) | 樹脂に戻せる/戻さないは下流の処理次第 | 強み:混合系の受け皿/限界:LCA・認証・マスバランス等が論点 |
| ガス化(燃料/化学原料) | ガス化→合成ガス→燃料利用/化学原料化 | ガス/化学原料 | 混合プラ | 高 | 利用先次第 | 強み:混合・汚れ耐性/限界:設備コスト、効率、用途の制約 |
| 高炉・コークス炉原料(原料代替) | 還元材・原料として投入 | 原料/還元材代替 | 処理体系に依存 | 中 | 素材循環というより原料代替に近い位置づけ | 強み:既存産業設備の活用/限界:循環性・評価の扱いが論点 |
| エネルギー回収(サーマル/熱回収) | RPF・セメント原燃料、発電焼却、熱利用焼却 など | 電力・熱 | 混合プラを含む | 高 | 材料循環ではない | 強み:混合・汚れの受け皿/限界:循環性(CO₂・資源)や国際比較で議論 |
主要用途
用途別に求める品質が異なります。
• 包装(ボトル、トレー、フィルム等)
需要規模が大きい一方、食品接触や外観要求が厳しい。PETボトルは国内で高い回収・再資源化が成立している領域。
• 建材(配管、床材、断熱材等)
長寿命で回収が難しい場合があり、用途側の規格・耐久性要件が支配的。
• 自動車・電機
難燃・耐久・外観・臭気など複合要求が強く、材料の安定供給と品質保証が課題になりやすい。環境省は自動車向け再生プラスチック市場構築の文脈で、ポスト/プレコンシューマの定義(ISO 14021の定義を引用)を述べています。
再生プラスチックの成形・加工方法
再生プラスチック(再生材)を「量産の成形プロセス」に載せる難しさは、樹脂そのものの物性よりも、原料ロット間変動(MFR/IV・分子量分布・混入物・含水・臭気/揮発分)と、工程内での増幅にあります。
したがって実務では、①原料の受入仕様(許容範囲)を先に決め、②前処理(乾燥・溶融ろ過・脱気/脱揮・必要なら固相重合)を組み込み、③成形条件(温度・圧力・時間・滞留)を「熱劣化を起こさない範囲」で再最適化し、④品質管理(試験・異物・臭気・トレーサビリティ)を工程能力として設計する、という順序が成功確率を上げます。
主要成形・加工法の工程
| 成形・加工法 | 代表用途・形状 | 適合樹脂(中心) | 再生材での主要リスク |
| 射出成形 | 成形品全般(部品、容器、筐体) | PP/PE/PS/PVC、PET(主にプリフォーム) | MFR変動→充填不安定、銀条/ボイド、黒点、溶着弱化 |
| 押出成形(プロファイル/シート/パイプ) | シート、パイプ、異形押出 | PE/PP/PS/PVC、PET(シート) | 異物→ダイ筋・ゲル、吐出変動、臭気/揮発分→気泡 |
| ブロー成形(押出ブロー) | 中空容器(ボトル等) | HDPE/PP/PVC/PS(用途依存) | 再生材の溶融強度低下→パリソンダレ、臭気、黒点 |
| 射出延伸ブロー(PET等) | PETボトル等 | PET中心(PP等の事例も) | IV低下→ボトル成形困難、AA/臭気、黄変 |
| ブロー・フィルム(押出インフレーション) | フィルム(袋等) | LDPE/LLDPE/HDPE、PP | ゲル・魚眼、厚みムラ、臭気、メルトフラクチャ |
| 熱成形(真空/圧空) | トレー等 | PET/PS/PP(シート) | 白化・割れ、異物によるピンホール、臭気 |
| 圧縮成形 | 厚肉品、複合材(用途依存) | PP等(熱可塑)/熱硬化系も | 異物・水分→層間不良、寸法ばらつき |
| 回転成形 | 大型中空(タンク等) | 主にPE | 長滞留×再生材→酸化劣化、臭気、脆化 |
バイオプラスチックとは
バイオプラスチックとは?
「バイオプラスチック」は単一の材料名ではなく、一般に ①バイオマス(再生可能資源)由来、②生分解性(またはその両方)を含む概念的な総称として用いられます。日本の行政文脈では、バイオプラスチックを「バイオマスプラスチック」と「生分解性プラスチック」の双方を含む枠組みで整理し、導入ロードマップ等で用途別の適用整理(適材適所)を重視しています。
一方、EUの政策枠組みでは、(i) biobased(原料由来:化石資源か、バイオマスか)、(ii) biodegradable(生分解するよう設計されたか)、(iii) compostable(管理された条件=主に工業コンポスト等で生分解するサブセット)を明確に区別し、特に生分解性を「材料の性質だけでなく、受容環境条件と時間が必須のシステム特性」と位置づけています。

バイオプラスチックの分類
分類は、実務的には次の3軸で行うと誤解が減ります。
(1) 「生分解性(生分解/非生分解)」
(2) 「原料起源(バイオベース/部分バイオベース/化石)」
(3) 「設計された終末処理(リサイクル、工業堆肥化、嫌気消化、焼却等)」
原料別(由来別)の整理としては、以下が基本となります。
(a) 植物由来(糖・でんぷん・セルロース・植物油等)
(b) 廃棄物・副産物由来(使用済み食用油、バガス等)
(c) 微生物由来(PHAのように微生物が体内合成する貯蔵ポリエステル等)
(d) 合成バイオベース(ドロップイン/部分置換)(例:バイオPE、バイオPETのようにモノマーだけをバイオ起源にして既存ポリマー骨格を得る)
代表材料
商用利用されるバイオプラスチックは、化学的には「ポリエステル」「ポリオレフィン(ドロップイン)」「多糖系ブレンド」等の既知の高分子群に乗っています。
PLA(ポリ乳酸)
繰返し単位がエステル結合を含む脂肪族ポリエステルで、代表的には -[O-CH(CH₃)-CO]-ₙ と表されます。
主な用途の例
・食品包装(容器・カップ)
・フィルム
・3Dプリント用フィラメント
生分解性の有無
・あり(生分解性プラスチック)
PHA(ポリヒドロキシアルカノエート)
微生物が体内に合成・蓄積するポリエステルの総称で、側鎖Rをもつ -[O-CH(R)-CH₂-CO]-ₙ のような繰返し構造で表される場合が多いです。日本の導入ロードマップでは、PHAの一種PHBHが国内生産され、原料としてバイオオイルが用いられる旨が記載されています。
主な用途の例
・包装材
・化粧品用途
・医療・組織工学材料
生分解性の有無
・あり(微生物由来で完全生分解性)
PBS(ポリブチレンサクシネート)
ジカルボン酸(コハク酸)とジオール(1,4-ブタンジオール)から得られる脂肪族ポリエステルで、概念的には縮合重合(ポリコンデンセーション)で -[O-(CH₂)₄-O-CO-(CH₂)₂-CO]-ₙ を形成します。
主な用途の例
・ごみ袋
・農業用フィルム
・工業製品(例:3Dプリント用フィラメント)
生分解性の有無
・あり(土壌中で分解)
PBAT(ポリブチレンアジペート・テレフタレート)
芳香族成分(テレフタル酸)を含む脂肪族‐芳香族コポリエステルで、一般に柔軟でフィルム用途やブレンド材として重要です。
主な用途の例
・包装フィルム
・ラップ・コーティング
・農業用フィルム
・コンポスト可能な袋
生分解性の有無
・あり(主に工業的コンポスト条件で分解)
バイオPE
これはドロップイン型の代表格ですが、これは分子構造(-CH₂-CH₂-)ₙとしては従来PEと同一であり、主な差分は原料炭素の由来にあります。
主な用途の例
・一般的なポリエチレン製品(容器、包装材など)※通常PEと同用途
生分解性の有無
・なし(非生分解性)
成形・加工法の一覧
バイオプラスチックの加工は基本的に従来熱可塑性樹脂の枠組みで説明できますが、吸湿・加水分解・結晶化・分解温度の近さが工程の幅を狭めやすい点が特徴です。
| 成形・加工法 | 原理(超要約) | 代表製品 | バイオプラで典型的に増幅する論点 |
| 射出成形 | 溶融→充填→保圧→冷却→離型 | 容器、カトラリー、工業部品 | PLAは金型温度で非晶/結晶が分かれ耐熱が変わる(高温金型運用が鍵) |
| 押出成形(コンパウンディング含む) | スクリューで溶融・混練しダイから連続成形 | ペレット、シート、プロファイル | ポリエステルは水分で加水分解しやすく、脱揮・乾燥・滞留管理が重要 |
| フィルム押出(ブロー) | チューブ状に押出しバブルで延伸 | 袋、農業用フィルム | PBAT/PLA系は水分・ゲル・バブル安定が課題になりやすい |
| フィルム押出(キャスト) | フラットダイ→チルロールで急冷 | 包装フィルム、シート | PLAはロール温度高すぎると粘着/転写不良リスク(ロール温度帯の管理) |
| フィルム延伸(逐次/同時二軸等) | Tg–Tm間で配向・結晶化制御 | 高強度/高バリアフィルム | 配向・結晶化でバリア/剛性が改善するが、収縮・反りが増える |
| 熱成形(サーモフォーミング) | シート加熱→真空/圧空で賦形→冷却 | トレイ、カップ | PLAはシートの非晶保持/結晶化制御が成形窓を左右 |
| ブロー成形(押出ブロー) | パリソンを膨らませ中空体 | ボトル、タンク | バイオPE等ドロップインは既存条件踏襲しやすい |
| 射出ブロー / 射出延伸ブロー | 予備成形体(プリフォーム)射出→ブロー(延伸) | PET/PEFボトル | PEFはPET設備互換が示唆されるが、乾燥・圧力・温度差に注意 |
| 押出コーティング/ラミネーション | 溶融樹脂を基材上に直接コート | 紙カップ、紙容器 | PLAはネックインが大きく、溶融強度向上剤等が推奨される |
| 溶融紡糸 | フィラメント押出→急冷→延伸 | 繊維、不織布 | 乾燥・粘度安定が必須(PLAは目標水分50ppm等が示される) |
| 3Dプリント(FDM/FFF) | フィラメント溶融押出で積層 | 試作、治具、医療部材 | 層間接着と空隙制御が品質の中心(半結晶性は結晶化と拡散の競合) |
| 圧縮成形 | 材料を金型で加熱圧縮 | 板材、フィルム、複合材 | フィルム/試験片作製で多用。滅菌影響評価の前段としても使われる |
| 溶媒鋳造 | 溶解→鋳込み→溶媒除去 | 膜、コーティング、研究用途 | 工業量産は限定的だが、膜/医療材料研究で重要 |
液状シリコーンゴム(LSR)とは
液状シリコーンゴム(LSR)とは?
ニッシリはシリコーン一筋「70年」
シリコーンゴムとプラスチックの試作~量産をサポートします。
液状シリコーンゴム(Liquid Silicone Rubber、略称: LSR)は、液状のシリコーン系エラストマーで、主剤と硬化剤の2液を混合して加熱することで硬化(加硫)させるゴム材料です。 この混合・加熱硬化により、液状樹脂を金型内で化学反応によって固形化する成形法は「液状インジェクションモールド成形(LIM成形)」とも呼ばれ、従来の熱可塑性樹脂射出成形(溶かして冷却固化)とは逆の原理となります。LSRは白金触媒による付加重合型(加成型)の高純度シリコーンゴムであり、室温で低粘度の液体状であるため射出成形による自動化生産に適しています。低粘度ゆえに非常に複雑な形状の金型にも充填しやすく、精密な成形品の大量生産が可能です。
LSR素材そのものはシリコーンゴムの一種であり、耐熱性、耐寒性、耐候性、電気特性、弾性復元性、密封性、衛生特性など多くの優れた特性を備えています。そのため各種シール部品やパッキンに用いられることが多く、自動車、家電・OA機器、医療分野など幅広い産業でニーズが高まっており、今後も需要拡大が予測されています。LSRという用語は主に材料を指しますが、成形方式として言及する場合には「LIMS(Liquid Injection Molding System)」とも呼ばれます。総じてLSRは汎用性の高い高性能エラストマーで、精密さと耐久性が要求される用途に広く使用されている点が特徴です。
主な物理的・化学的特性
液状シリコーンゴム(LSR)の物理・化学特性は、シリコーンゴムならではの優れた性能に由来します。以下に主要な特性を解説します。
幅広い温度耐性
シリコーンゴムは極めて高い耐熱・耐寒性能を持ち、150℃程度の高温下では長期間にわたり特性の劣化がほとんど生じません。一般的なLSR部品は約200℃の環境で1万時間以上使用可能で、短時間なら300℃近くにも耐えます。低温側でも性能維持に優れ、-50~-70℃程度でも弾性を保ち、一部の特殊製品では-100℃以下でも使用可能です。このように-50℃前後から200℃超まで物性を維持するため、高温になる機器周辺から極低温環境まで信頼性を発揮します。
耐候性・耐環境性
シリコーンゴムはオゾンや紫外線による劣化に極めて強く、屋外曝露や風雨に長期間さらされても物性変化がほとんどありません。また耐水性も高く、長時間水中にあっても吸水による影響が小さいため、湿度や天候の厳しい環境下で用いても硬化製品の寸法安定性や電気特性が維持されます。こうした耐候・耐水・耐湿性能により、屋外機器のパッキンや高圧ケーブル用ブッシングなどにも適しています。
電気的特性
シリコーンゴムは本質的に優れた電気絶縁体であり、広い温度範囲にわたって高い絶縁抵抗(10^14~10^16 Ω·cm)を示します。高温環境下でも電気特性の低下が少なく、絶縁材料として信頼性が高いため、電子部品や高電圧機器の絶縁用途に広く使われています。一方で、カーボンブラックや銀粉などの導電フィラーを配合することで導電性シリコーンを作ることも可能であり、キーボードの接点や静電気対策部品、シールド材などには導電グレードのLSRが利用されています。
機械的特性
LSRはゴム弾性に富み、高い伸長性能と復元性を示します。一般的なLSR製品の引張強度は約3~11MPa、伸びは220~900%程度と報告され、シリコーンゴム特有の柔軟性と高弾性を備えます。硬度(ショアA)は製品グレードによって約20~80程度まで幅広く調整可能で、用途に応じて軟らかいゲル状から比較的硬質な弾性まで選択できます。
一方、シリコーンは有機ゴムに比べ引裂き強度や耐摩耗性が劣る場合もあり、高荷重がかかる用途では補強フィラーを添加した高強度LSR(高引裂きグレード)などが用いられます。
化学的安定性と純度
シリコーンの主鎖はケイ素-酸素結合から成り、化学的に安定で不活性です。そのため耐酸化性・耐薬品性に優れ、多くの化学物質に対して材料が劣化しにくい特性を持ちます(ただし一部の有機溶媒や油類には膨潤する場合があります)。LSRは特に高純度で、過酸化物硬化型ゴムのような揮発性の副生成物を出さず、硬化後も残留物がほとんどありません。
このため無臭・無毒性であり、食品衛生や医療用途にも適したクリーンな材料です。また白金触媒による付加硬化型であるため硬化収縮が小さく、成形品の寸法安定性にも優れます。
ミラブルシリコーンゴム(HCR)とは
ミラブルシリコーンゴム(HCR)とは?
ニッシリはシリコーン一筋「70年」
シリコーンゴムとプラスチックの試作~量産をサポートします。
ミラブルシリコーンゴム(Millable Silicone Rubber)は、高粘度の固形状シリコーンゴムコンパウンドで、ロールミルや混練機で加硫剤などを混合して成形加工するタイプのシリコーンゴムです。その名前はHigh Consistency Rubber(高粘度ゴム)の頭文字を取ったもので、一般に HCR と略称されます。高温で加熱・加圧することで硬化(加硫)させる必要があることから、高温加硫型シリコーンゴム(HTV: High Temperature Vulcanizing silicone)とも呼ばれます。HCRは、未硬化時の形状が練りゴム状で扱いやすく、天然ゴムなど従来のゴムと同様の設備(ロール機やプレス機など)で成形できる点が特徴です。
シリコーンゴム全体は、その硬化条件から大きく高温硬化型(HTV)と常温硬化型(RTV)に分類されます。HCRはLSRとともにHTVに属し、原料ポリマーの重合度の違いにより、HTVシリコーンゴムはミラブル(高粘度ゴム)タイプと液状シリコーンゴム(LSR: Liquid Silicone Rubber)タイプに大別されます。
HCRでは重合度が高く粘度の高い直鎖状ポリマー(平均重合度約3,000~10,000)にシリカ系強化充填材や添加剤を配合したベースコンパウンドを用い、使用時に加硫剤(過酸化物硬化剤や白金触媒など)を加えて加熱硬化させます。
一方、LSR(液状シリコーンゴム)は粘度が低い液状の前駆体ポリマー(重合度約100~2,000)を基にし、同様に充填剤や添加剤を含みますが、低~中粘度の液体状のため 射出成形機による成形が可能で、主にプラチナ触媒を用いた付加反応で 高温速硬化させるタイプです(一部は室温で硬化可能な縮合系もあります)。
またRTV(室温硬化型シリコーンゴム)は液状またはペースト状で、室温で硬化するタイプのシリコーンゴムです。RTVには1液型(空気中の湿気と反応して硬化)と2液型(主剤と硬化剤を混合して硬化)があり、接着剤やシーリング材、ポッティング材(充填硬化樹脂)などに利用されます。
ミラブルシリコーンゴムの主な特性
シリコーンゴム全般に共通する優れた特性として、以下のような点が挙げられます。特にHCRはこれらの特性をバランス良く備えるため、他の有機ゴムでは代替が難しい用途で広く用いられています。
耐熱性・耐寒性
シリコーンゴムは極めて広い温度範囲で弾性を保ちます。一般的なHCRでも -50℃程度の低温から+200~250℃程度の高温まで連続使用でき、特殊グレードでは -100℃以下や+300℃以上に耐えるものもあります。高温下でも性能劣化が少なく、低温下でも硬化や脆化しにくい点で他の多くのゴムを凌駕します。
耐候性
シリコーンゴムはオゾン、紫外線、風雨などによる劣化が極めて少なく、屋外で長期間使用できます。実際、シリコーンゴムを10年以上にわたり屋外暴露試験してもほとんど劣化が見られず、その結果から 100年程度使用しても問題ないと推定された報告もあります。この卓越した耐候・耐紫外線性は、屋外用途や厳しい環境下での信頼性を支える重要な特性です。
柔軟性・弾力性
シリコーンゴムはゴム弾性に富み、非常に柔軟で様々な形状に成形可能です。硬度(硬さ)は30~80程度(ショアA)まで調整でき、長期間の使用でも硬化やひび割れが起きにくく弾力を保持します。また、他の多くのゴムが硬化・劣化しやすい高温環境下でも柔軟性を維持する点はシリコーンならではです。
耐薬品性・耐油性
シリコーンゴムは一般に化学的に惰性で、多くの化学物質に対して安定した特性を示します。酸やアルカリ、極性溶媒などによる膨潤・劣化が起こりにくく、腐食性のガス等にも比較的耐性があります。またシリコーンは耐油性にも優れるとされ、エンジンオイルや潤滑油に接触する環境でも性能を維持しやすいです(※用途によってはフッ素シリコーンなど特殊グレードの使用が望ましい)。
電気絶縁性
シリコーンゴムは非常に優れた絶縁体で、高い絶縁耐力と低い誘電率を持ちます。高温多湿環境でも電気特性が安定しており、電線被覆や電子部品のシール材など電気・電子分野で広く利用されています。また誘電損失が小さく、高周波用途にも適しています。
生体適合性・無毒性
シリコーンゴムは生理学的に不活性(イナーシャ)で、硬化後は有害な可塑剤や添加物の溶出が極めて少ない材料です。食品衛生法やFDA等の規格適合品も多く、市販のシリコーンゴム製品の多くは食品や医療用途で安全に使用できます。臭気も少なく、哺乳瓶の乳首や医療用カテーテルなど人体に触れる用途にも適しています。
機械的強度
シリコーンゴムの機械的性質(引張強さ・引裂き強さなど)は、一般的な工業用ゴム(例えば天然ゴム)に比べるとやや劣るものの、実用上十分な強度を持ちます。典型的なHCRの引張強さは7~10MPa、伸び200~800%、引裂強さ15~40N/mm程度で、高強度グレードでは引裂強度を飛躍的に高めた製品も存在します。必要に応じて補強充填剤(シリカなど)や特殊添加剤で機械強度を調整でき、高引裂きシリコーンや高硬度シリコーンなど用途別の強化グレードも開発されています。
難燃性
シリコーンゴムは炭素系ゴムと異なり燃えにくい性質があり、炎にさらされても表面にシリカ質の炭化残渣を形成して自己消火性を示します。難燃グレードではUL94 V-0等の規格を満たす製品もあり、燃焼時に発生する煙やガスも非腐食性・無毒性で安全性が高いと報告されています。このため電線被覆材や耐火シール部品など、安全性が重視される用途にも適用されています。
SEPラバー(シリコーン変性EPDM)とは
SEPラバー(シリコーン変性EPDM)とは?材料構造と化学的特性
ニッシリはシリコーン一筋「70年」
シリコーンゴムとプラスチックの試作~量産をサポートします。
SEPラバーはエチレンプロピレンゴム (EPDM) をベースに、シリコーンゴム成分を化学的に導入(変性)して得られたハイブリッドゴムです。EPDM分子鎖にシリコーン(有機ポリシロキサン)をグラフト結合させることで、両者の特性を併せ持つ材料構造になっています。これにより、通常のEPDMでは不足しがちな耐熱性・耐候性・低温特性が大きく向上します。
性能面ではシリコーンゴムとEPDMの中間に位置し、新たに優れた耐塩素性(塩素環境下での耐久性)やスポンジ発泡性(発泡ゴムへの加工適性)といった特性も発現します。つまり、化学構造上シリコーンの安定性とEPDMの強靭さを組み合わせたゴム材料となっています。
主な物理的・化学的特徴
耐熱性
SEPラバーはEPDMより高温に耐えることができ、EPDMの耐熱限界(約120~130℃程度)を上回り、150℃前後の高温環境でも使用可能なグレードがあります。一方、純粋なシリコーンゴムほどの超高温(200℃超)には及びませんが、「高耐熱グレード」のSEPラバーも開発されています。
耐寒性
EPDMは低温下でも柔軟性を維持できますが、SEPラバーはその低温特性もさらに改善されています。例えば-50℃程度の低温環境でも硬化や脆化が少なく、耐寒温度はEPDMより広がっています(シリコーンゴムの耐寒性(~-60℃程度)に近づけています)。このように高温から低温まで広い温度範囲で弾性を維持できることが特徴です。
耐候・耐環境性
SEPラバーは耐候性(耐オゾン・耐UV)に優れ、屋外環境での劣化が少ない点はEPDMと同等かそれ以上です。さらに塩素を含む環境での劣化に対して新たな耐久性を示し、耐塩素性が良好であることが報告されています。また耐水・耐湿性にも優れ、湿度の高い状況下でも電気的絶縁性能など物性を良好に維持します。
耐薬品性
EPDMがもともと強い耐薬品性(特に酸・アルカリや熱水・スチームへの耐性)を持つのに対し、SEPラバーでもその特性は維持・向上されています。例えば高温の蒸気や熱水、酸・アルカリ環境において、シリコーンゴム以上の耐久性を示すとされています。これはシリコーンだけでは劣化しがちな過酷な化学環境下でも、EPDM基材の強みが活きているためです。
力学特性(強度・弾性)
SEPラバーの機械的強度は両親の中間的ですが、特徴的なのは高温下での強度維持です。100℃以上の高温環境では、EPDMよりも引裂き強さが優れ、高強度タイプのシリコーンゴムに匹敵する引裂き強度を示します。室温での引張強度や引裂き強度も十分に高く、引張強さで約11~17MPa程度、引裂き強さで25~35kN/m程度を達成するグレードがあります。
伸び(破断時伸び)も数百%に及び、ゴム弾性として優れた伸長性を持ちます。圧縮永久歪(圧縮後の戻り)も改良されており、繰り返し圧縮下での耐久性に優れる点も特長です。総じて、SEPラバーはシリコーンゴムほど軟らかくはなく機械的強度に優れ、しかも広い温度範囲で弾性を保つバランスの取れた物性を備えています。
主な用途分野と事例
SEPラバーは、その特性から幅広い産業分野で利用されています。主な用途例を分野ごとに挙げます。
自動車分野
エンジンルームなど高温環境下で使われるゴム部品に適しています。例えばスパークプラグ・ブーツ(点火プラグ端子の絶縁カバー)はエンジン周辺の高熱に晒され、かつ着脱時の引張り強度も要求されますが、SEPラバー製のプラグブーツはその要求を満たします。
このほかターボホースや高温ガスケット、エンジンマウント部材など、高温下で強度と耐久性が必要な自動車用ゴム部品に用いられます。
電気・電子分野
電線被覆やコネクタ用シール、高電圧機器の絶縁ブッシュ等に利用されています。特に湿気の多い環境下でも電気的特性を維持できることから、屋外配電用のブッシングやケーブル接続部、防水シール材として適しています。
また半導体製造装置などクリーン環境・高温雰囲気で使われるOリングやシール材にも、シリコーンの低アウトガス性とEPDMの耐薬品性を両立する材料として期待されています。
建築・土木分野
屋外で温度変化や天候にさらされるシーリング材やジョイント材に利用されています。たとえば橋梁や高速道路の伸縮継手用ゴムでは、夏冬の極端な温度差や動的荷重に耐える必要があり、シリコーン変性EPDMの弾力と耐久性が活かされています。
また建築分野では屋上や外壁用の目地シールにおいて、耐候性と耐寒熱性のバランスから採用例があります。
さらに、工業用ゴムシートとして極寒・高温環境向けに使われるケースもあります。実際、日本では冷凍庫用の間仕切りシートや防氷シートにシリコーン変性EPDMゴム引布を用いた製品が実用化されています。
同様に耐熱ダクトや高温ホース類にも利用され、-50℃の低温から130℃の高温まで対応するゴム素材として重宝されています。
医療・食品分野
オートクレーブ滅菌(高温高圧蒸気)に耐えるゴムシールや、食品機械のガスケットに応用されています。従来はEPDMやシリコーンが使われてきましたが、SEPラバーは繰り返しの高温スチーム滅菌や洗浄薬品に対する耐久性が高く、かつシリコーンほど添加物が溶出しにくい利点があります。
例えば食品充填機のパッキンや、医療用高圧蒸気滅菌器のシール材として耐熱・耐薬品性と弾性の両立を評価され採用されつつあります(※)。ただし、生体適合性が特に要求される医療インプラント用途には不適で、一般工業用途向け素材との位置付けです。
その他の分野
住宅設備機器(給湯器やボイラーのガスケット)、家電(オーブンやアイロンのシール部)など、温度変化の激しい機器部品にも用いられます。また住宅建材ではサッシや戸締りの耐候パッキンに、スポンジ成形したSEPラバーが使われる例もあります。
フロロシリコーンゴム(FVMQ)とは
フロロシリコーンゴム(FVMQ)とは?化学構造と通常のシリコーンゴム(VMQ)との違い
ニッシリはシリコーン一筋「70年」
シリコーンゴムとプラスチックの試作~量産をサポートします。
フロロシリコーンゴム(FVMQ)は、シリコーンゴム(VMQ:ビニルメチルシリコーンゴム)の側鎖にフッ素化アルキル基を導入したエラストマーです。メチルトリフルオロプロピルシロキサンを主成分とし、架橋用に少量のメチルビニルシロキサンを共重合したポリマー構造を持ちます。この化学構造の違いにより、FVMQはVMQの特性(広い温度範囲で柔軟、高い耐候性など)に加えて耐油性・耐燃料性を大幅に向上させています。一方で、機械的強度の低さ(引張強度・耐摩耗性の弱さ)といったVMQの弱点はFVMQでも基本的に残っています。
フロロシリコーンゴムは、VMQの弱点である油や燃料への耐性を高める目的で開発されたもので、通常のシリコーンでは膨潤・劣化してしまうエンジンオイルやガソリン等にも耐えるよう設計されています。初の商用フロロシリコーンゴムは1950年代に米国ダウコーニング社が「Silastic LS-53」として発表しており、シリコーンの耐熱・耐寒性能にフッ素ゴムの耐薬品性を組み合わせた素材として誕生しました。
主な物理的・化学的特徴
広い使用温度範囲
フロロシリコーンゴムは低温から高温まで広範囲で性能を維持でき、一般に約-50℃~+200℃で使用可能です。低温側のしなやかさはシリコーンゴム譲りで、極低温下でも弾性を保ちます(-55~-70℃付近まで用途に応じ可)。高温側も約200℃まで連続使用でき、一時的にはそれ以上の温度にも耐えます。
純粋なVMQと比較すると、FVMQは若干高温での安定性が劣るケースもありますが、その差は小さく実用上ほぼ同等です。なお電気特性も良好で絶縁性が高く(体積抵抗率10^10~10^14 Ω·cm程度)、広い温度で安定しています。
優れた耐油・耐燃料性
FVMQ最大の特徴は各種オイルや燃料に対する耐性です。エンジンオイル、ガソリン、軽油などによる膨潤が著しく低く抑えられ、従来のVMQでは実用困難だった自動車燃料環境下でも使用できます。その耐油・耐燃料性能はフッ素ゴム(FKM)に匹敵するレベルと評され、実際にエンジン油中150℃×1000時間の浸漬試験でも5%以下の体積膨潤に留まるグレードも報告されています。
特に低温下でも燃料や油に対する耐性が維持される点で優れ、シリコーンゴムでは膨潤しがちな環境に強い「万能ゴム」と言えます。
耐薬品性
フロロシリコーンは非極性溶媒や比較的穏やかな薬品には強いものの、万能ではありません。アルコールや芳香族炭化水素にはVMQより耐性が向上していますが、低分子のエーテル・エステル類、強酸・強アルカリ、加熱蒸気などに対しては十分な耐久性がありません。例えばケトン類や強酸に曝される用途には不向きです。
ただし、自動車用クーラントやグリコール系ブレーキ液、難燃性作動油(リン酸エステル系HFD液)などには実用上耐え得るグレードが存在します。総じて炭化水素系の油剤・燃料には強く、極性・反応性の高い薬品には弱いという特性です。
耐候・耐環境性
シリコーンゴム系素材の利点として、耐候性(耐酸化・耐オゾン・耐UV)に非常に優れる点が挙げられます。フロロシリコーンゴムも例外ではなく、屋外曝露やオゾン雰囲気下でも物性劣化が極めて小さいです。長期間の耐老化性にも優れ、5年以上の屋外曝露後も良好な性質を維持した例もあります。
またシリコーン特有の非粘着性(表面の離型性)や難燃性(自己消火性)の付与も可能であり、過酷な環境下で安定した性能を示します。
機械的強度と加工性
フロロシリコーンは力学的性質では他のエラストマーに劣る面があります。引張強さや引裂き強さはそれほど高くなく、耐摩耗性も低いため、動的に擦れるシールには不向きです。これは通常のシリコーンゴムと同様の傾向で、弾性や柔軟性と引き換えに強度が低いと言えます。さらにガス透過性が高く圧縮永久歪も大きめであるため、高圧下のシールでは押し出し変形を起こしやすい点に留意が必要です。そのため動的シールより静的シール向きであり、必要に応じてOリング溝のクリアランスを他材質より小さく設計する、バックアップリングを併用する等の対策が推奨されています。
一方で加工性は良好で、通常のシリコーンと同様に射出成形(HTV/LSR)や押出し成形が可能です。近年は液状フロロシリコーンゴム(F-LSR)も登場しており、成形の生産性とフロロシリコーンの耐流体性を両立する材料として実用化されています。
コスト
フロロシリコーンゴムの価格は一般に高価です。標準的なVMQに比べ数倍程度の単価になることが多く、FKMなど他の高性能ゴムと同程度かそれ以上です。このためコスト重視の用途では敬遠され、必要な性能に応じて部分的にFVMQを使用したり、VMQとのブレンド品でコストを下げる試みもあります(ただしブレンドにより性能は低下します)。
しかし、得られる性能(広範な温度域と耐油・耐候性の両立)がユニークであるため、代替が難しい用途ではコストに見合う価値があります。
主な用途分野と事例
フロロシリコーンゴムは、その幅広い温度特性と優れた耐油・耐燃料性から、特に以下の分野で活躍しています。
自動車業界
エンジン周辺や燃料系統のシール材として多用されています。具体的には、燃料ポンプやインジェクターのOリング、ガスケット、燃料タンクや配管のシール、キャブレターやスロットルのダイアフラムなどに使われます。
エンジンオイルやガソリンに晒される環境下でも長期間性能を維持でき、しかも寒冷時の柔軟性も必要とされる部位(例えば燃料フィルタやエバポ系バルブのシール等)で重宝されています。また近年のバイオ燃料や低温燃料噴射システムにも対応するシール材料として採用されます。
航空・宇宙分野
航空機の燃料系シールや作動油シールにおいて、フロロシリコーンゴムは定番材料の一つです。ジェット燃料や液体オキシダイザーなど特殊な流体にも耐え、かつ高度や外気温の変化による極端な温度差にも対応できます。
たとえば軍用機や宇宙ロケットの燃料システムのOリング、ドアシール、エンジンシール等に利用されています。従来は燃料環境下ではFKMが多用されましたが、低温条件が加わる航空用途ではFVMQが最適とされます。
電気・電子機器
過酷な環境で使われるセンサーやコネクタ類の防湿シール材、耐熱電線の被覆やコーティングなどに用いられます。例えば自動車の酸素センサーや各種アクチュエーターのシール、産業機器のコネクタパッキン等、耐熱性と耐油性・耐薬品性が同時に要求される電子部品向けに適しています。
また、耐候性や電気絶縁性を活かして屋外設置の電子機器筐体シールやケーブルジョイントにも使われています。通常のシリコーンゴムでは油分との接触で膨潤リスクがある場面でも、FVMQなら安全マージンが高いため選定されます。
医療機器・ライフサイエンス
シリコーンゴムは生体適合性が高く医療用素材として広く利用されていますが、フロロシリコーンゴムも薬品や体液に触れる特殊用途で使われます。例えば血液ポンプや人工心肺装置内のシール、試薬や溶剤を扱う分析装置のガスケットなど、通常のシリコーンでは溶媒に触れて膨潤する懸念がある場合にFVMQが選択されます。
また、一部の医療用接着剤・シーラントにはフロロシリコーン系のRTVゴムが使われており、耐薬品性と生体適合性を活かした応用です。もっとも、医療分野では薬品への曝露が限定的であれば安価なVMQで充分なケースも多いため、FVMQの出番は特殊用途に限られると言えます。
その他産業分野
石油・ガス産業では、油井機器や精製装置のシールにFVMQ Oリングが使用されています。これは野外での温度変化や天候に左右されず、かつ原油・潤滑油・天然ガスなどに耐える必要があるためです。
さらに、軍事用途(極寒地の油圧シリンダーシール等)や、化学プラントでの一部シール材、真空装置のシール(低蒸気圧で油に強いガスケット)など、過酷な条件下で従来材では性能不足となる環境でFVMQが選ばれています。