
- 2021年8月16日
【加工技術】カセット金型って何!?
金型成形で何かお困りごとはございませんか?
例えば、「年100個程度を量産したいがコストは抑えたい。」
「金型成形をしたいが納期をなるべく短くしたい。」
「量産型を起こす前に社内で構造の確認をしたい」
今回この記事で紹介する「カセット金型」で皆様のお困りごとのお役に立てればと思います。1.「カセット金型」とは
カセット金型とは共用のモールドベース(外枠)にカセット式の入れ子(キャビティ/コア部)をセットして使用する簡易金型です。
本金型と比べてカセット金型には以下の特徴があります。- 入れ子の材料にはアルミ材を使うことが多い(鋼材も使用可能)
- モールドベースが共用、入れ子のみを新作する為コスト・納期面で本金型よりメリットがある
- 試作・小ロット量産の成形に適している
本金型を起こす場合はモールドベースからの手配となります。モールドベースは1つの部品だけではなくいくつかの部品から構成され、構成部品の材質も機械構造用炭素鋼(S55C等)なので、カセット金型に比べ工数が多く、コスト、納期がかかります。
2.「カセット金型」のメリット
カセット金型のメリットは簡単に言えば、“安い!”、“早い!”、というところです。
金型の材料で比べると、本金型で使用する鋼材とカセット金型で使用するアルミ材では、アルミ材の方が安価でありコスト面でメリットがあります。コスト面でさらに言えば、本金型ではモールドベースを金型毎に製作しなくてはならない為、モールドベースを共用化し、金型を入れ子式にしたカセット金型の方にコストメリットがあります。
また、納期の面で言えば、アルミ材は鋼材に比べ加工が容易であり、入れ子部分のみをを制製作すればよいので、本金型と比べると納期が短縮できます。さらに本金型に比べ簡易的な金型構造にすることにより納期の短縮を図ることも可能です。
3.「カセット金型」のデメリット
カセット金型も良い面ばかりではありません。
本金型で使用する鋼材に比べカセット金型のアルミ材は、耐久性に劣り、ショット数の限度上限に差がついてしまいます。本金型では数十万ショットの成形ができるのに比べ、カセット金型の耐久ショット数は一般的には10,000~20,000ショットです。
また、共用のモールドベースを使用する都合上、成形可能サイズにも上限があります。モールドベースや成形機の都合にもよりますが、カセット金型で対応できない場合は本金型で御対応いたします。カセット金型は量産前の試作や小ロット多品種の量産に適した加工方法で、コストカットやリードタイムの短縮にお役立ちできます。
何か成形でのお困りごとがございましたら、ぜひお問い合わせください。