- 2026年3月19日
- 更新日:2026年4月6日
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【樹脂・ゴム・金属】リサイクルの現状と課題

「製品のサステナビリティを高めたい」と考えたとき、避けて通れないのが材料のリサイクル性です。しかし、私たちが普段扱っている樹脂、ゴム、金属では、そのリサイクル事情やハードルの高さが大きく異なります。
「端材を再利用しやすい材料はどれか?」「リサイクル材を使う際の注意点は?」 今回は、ものづくりで主要な3大材料のリサイクル現状を、現場目線で比較・解説します。

樹脂(プラスチック)
樹脂のリサイクルは、現在最も注目されており、かつ課題も多い分野です。

現状
熱可塑性樹脂(ABS、POM、PPなど)は、熱をかければ溶けるため、リサイクルが比較的容易です。一方、一度固まると溶けない「熱硬化性樹脂」は、リサイクルが非常に困難です。
課題
最大の敵は「物性低下」と「異物混入」です。一度熱を通した樹脂は分子鎖が切断され、強度が落ちる傾向があります。また、異なる材質が混ざるとリサイクル不可となるため、現場での徹底した分別が不可欠です。
当社の取り組み
当社では、この課題に対し「徹底した異物除去」と「物性を補う改質・混練」を行うことで、極小ロットからでも高品質な再生材(ブロック材・ペレット)の提供を実現しています。
ゴム
ゴムのリサイクルは、3つの材料の中で最も難易度が高いとされています。

現状
多くの工業用ゴムは「加硫(かりゅう)」という工程を経て、分子が網目状に結合しています。そのため、樹脂のように熱をかけても溶けて元に戻ることはありません。
課題
かつては粉砕して道路の舗装材や燃料にする(サーマルリサイクル)のが主流でした。しかし近年は、化学的に結合を解く「脱硫」技術が進歩しており、再びゴム製品の原料として一部戻す試みも始まっています。
選定のポイント
リサイクル性を重視する場合、ゴムのような弾性を持ちつつ樹脂のように溶かして再利用できる「エラストマー(TPE)」を選択肢に入れるのが現実的な解決策となります。
金属
金属は、歴史的にもリサイクル体制が最も完成されている材料です。

現状
アルミ、鉄、銅などの金属は、溶かしても不純物を取り除きやすく、物性の劣化が極めて少ないのが特徴です。特にアルミなどは、新地金を作るのに比べてリサイクルによる製造はエネルギー消費を約97%カットできると言われています。
課題
切削加工で出る切粉などは、油分を取り除き、圧縮してインゴットに戻すサイクルが確立されています。ただし、特殊な合金(レアメタルを含むものなど)は、成分を分けるプロセスが複雑になるため、分別コストが課題となります。
【比較まとめ】材料別のリサイクル特性
| 材料 | リサイクル性 | 劣化の程度 | 現場での主な課題 |
| 樹脂 (熱可塑性) | △〜〇 | 中 | 分別・異物混入・物性低下 |
| ゴム | ×〜△ | 大 | 分子結合(加硫)による再溶解不可 |
| 金属 | ◎ | 小 | 油分除去・成分ごとの徹底分別 |
まとめ
リサイクルを成功させるポイントは、「設計段階でリサイクルしやすい材料・構造を選んでおくこと」、そして「加工現場で出る端材を確実なルートで循環させること」です。
金属のように確立された循環もあれば、樹脂のように加工会社の技術によって新たに循環可能になるルートもあります。
当社では、特に難易度が高いとされる「樹脂端材」の小ロットリサイクルに強みを持っています。「自社の工程で出るこの端材、どうにかならないか?」というご相談があれば、まずは素材の種類を問わずお問い合わせください。
リサイクル材の導入検討はニッシリへご相談ください。
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