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ニッシリはシリコーン一筋「70年」
シリコーンゴムと樹脂の試作~中量生産をサポートします。

プロッター加工

プロッター加工(カッティングプロッター加工とも)は、コンピューター制御の刃物によってゴムや樹脂シートなどを高精度に切り出す加工技術です。元となる図面データをCADで用意し、それに従ってプロッター機が材料をカットします。

ニッシリでは特にシリコーンゴムの薄板材料に対応し、複雑な形状でも金型無しで忠実に再現可能です。手作業のカッターナイフで材料を切り抜く作業を自動化したイメージで、試作品や1個からの小ロット製品を作る際によく利用されています。

特徴

金型不要

プロッター加工の最大の特長は金型を作らずに加工できる点です。トムソン型(抜き型)を起こす必要がないため初期費用がかからず、データさえあれば即座に加工を開始できます。そのため1個からの製作や試作段階でも迅速かつ低コストに対応可能です。

高い加工精度

プロッター加工はコンピューター制御により非常に精密なカットが可能で、細かなデザインや複雑形状でも問題なく加工できます。切断断面は刃物できれいに直角に切り取られるため、仕上がり精度が高く、切断面が角ばって相手部材に密着するガスケットなども製作可能です。

一定の厚みにも対応可能

素材の厚みに応じて刃の種類やカット条件を変えることで、比較的厚手の板材まで加工できる場合があります。例えば厚み20mm程度までのゴムシートの形状カットに対応できる機種もあります。厚手のものでもウォータージェットよりコストを抑えて加工できる例があります。

ご活用いただいているケース

試作品の製作(機能試作)

新製品の開発段階では、実物大の試作パーツを迅速に用意して機能検証や組付け検証を行う必要があります。プロッター加工ならCADデータさえ用意すれば即日でも部品を切り出せるため、試作品の短納期製作ができます。また設計変更が生じても、データ修正→再カットが容易なので、試行錯誤を伴う試作フェーズで重宝します。

小ロット品・多品種少量生産

必要数量が数個~数十個程度の製品や、バリエーションが多い製品群では、プロッター加工によって金型費ゼロで必要分だけ生産するのが経済的です。プロッターなら1個から必要なタイミングで製作できるため、在庫を抱えず都度生産にも向いています。

特に産業機械向け部品のように、機種ごとに専用仕様のパッキンが必要となるケースでは、機械ごとに型を起こす代わりにプロッターで都度1個から製作する方法が取られています。

メンテナンス部品・廃盤部品の製造

古い装置や過去モデル製品の交換部品を少量作りたい場合にも、プロッター加工が活用できます。量産終了後の予備部品を起こす際に金型が現存しない場合でも、現物から寸法を採りCAD化すればプロッターで複製品を作れます。

主な用途や製品例

プロッター加工は平面的な薄板素材で構成される工業部品に幅広く適用されています。身近な例では、自動車のドアまわりシール、家電の防振パッド、半導体製造装置内のガスケット、医療機器のパッキン類などでプロッター加工部品が使われています。

各種パッキン・ガスケット類

ゴム製や樹脂製のパッキン(ガスケット)はプロッター加工の典型的製品です。例えば自動車用や産業機械用のシールパッキン類は、プロッターで図面通りに切り抜くことで試作から小ロット生産まで対応できます。

平面形状のガスケットであれば穴の位置や形状も高精度に再現可能で、フランジ用シールやOリング状ガスケット、各種シールプレートなどに広く利用されています。

電気・電子部品用の絶縁材

電子機器内部で使われる絶縁プレート樹脂板もプロッターで所定の形状に切り抜いて部品化できます。例えばモーターや変圧器の絶縁シート、基板上の絶縁スペーサー、ケーブル用の樹脂シムなどは図面形状に応じてフィルムを打ち抜きます。

他の加工方法との比較と使い分け

「トムソン(打ち抜き)加工」との比較

トムソン加工は専用の刃型を作成し、プレス機でシート材料を打ち抜く方式で、一度型を作ればプレス機上で連続して同じ形状を量産でき、大量生産に最も適した手法です。一方で初期コストとして抜き型の製作費が必要であり、少量生産には向きません。

切断面の特徴としても、刃型で押し抜く際に製品の角にわずかな丸み(ダレ)が生じる傾向があります。多くの場合ガスケット用途では多少角が丸くなっても支障ありませんが、もし断面まで寸法通りに平滑な形状が求められる場合(相手面に全周で密着させたい場合など)はプロッター加工の方が適しています。

「ウォータージェット加工」との比較

ウォータージェット加工は超高圧水で材料を冷却しながら切断するため熱変質がなく、ゴム70mm超や金属入り複合材などの硬厚物も±0.1mm程度での寸法誤差で仕上げることができます。

一方プロッター加工は刃物でせん断するため一般的に20mm以下のゴムを高速かつ低コストで切り出せます。厚物や硬材、異種積層材、水分影響が小さい環境下ではウォータージェットが優位ですが、薄物の量産はプロッター加工から、抜き型への移行が理想的です。

一般的にウォータージェット加工のほうが設備コストが高く、1ショット単価もやや高めになる傾向があるためです。

豆知識

CAD/CAMデータの取り扱い

プロッター加工を行うには、まず製品形状の2D CADデータを用意する必要があります。一般的にはDXFやDWG形式などのベクター図面データとして支給します。その後、加工用ソフト(CAMソフト)上で切断パスを生成し、プロッター機に送信して刃物の動きを制御します。

プロッター加工機の種類

カッティングプロッターには、大きく分けてロールフィード型とフラットベッド型があります。ロールフィード型はビニールカッターのように細長いシートを送りながらカットする方式で、対してフラットベッド型はテーブル上に材料を固定し、XYガントリーに取り付けたカッター刃が面内を動いて切断する方式です。

工業材料の精密加工には主にフラットベッド型プロッターが使用され、例えば1.5m×3.5mといった大型サイズのシートを一枚物で扱える機種もあります。

刃の種類とカット方式

カッティングプロッターには用途に応じてさまざまなツールヘッドを装着できます。典型的なのはカッター刃を素材に押し当てて引く偏芯カッター方式で、塩ビシートや薄紙の切断に用いられます。

より厚手の材料には、刃先の向きを自動制御して正確に角を出すタンジェンシャルカッター(直刀カッター)や、上下に微細振動して鋸のように切り進む振動カッター(レシプロカッター)が有効です。振動カッターを使えば硬質な板紙や10mm超のゴム板でもきれいに切断でき、50mm厚程度の発泡材まで対応する高性能機も存在します。

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