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  • 2026年3月19日
  • 更新日:2026年4月6日
  • バイオマスプラ導入の壁「コスト高」をどう乗り越えるか

昨今、多くの企業様から「環境に配慮した製品開発をしたい」「バイオマスプラスチックを採用したい」というご相談をいただきます。しかし、具体的な検討段階で必ずと言っていいほど直面するのが「コストの壁」です。

石油由来の汎用樹脂(ABSやPOMなど)と比較すると、バイオマス樹脂の材料単価は数倍になることも珍しくありません。「環境には良いが、採算が合わない……」と断念してしまうのは、非常にもったいないことです。

今回は、加工現場の視点から、バイオマスプラスチック導入時のコスト課題をどのようにクリアし、価値へと転換していくべきか、その具体的なアプローチを解説します。

なぜバイオマスプラスチックは「高い」のか?

バイオマスプラスチックが高価な理由は、主に以下の3点に集約されます。

  • 生産スケールの差: 石油由来樹脂に比べ、世界的な生産流通量がまだ少なく、スケールメリットが効きにくい。
  • 原料調達コスト: 植物(トウモロコシやサトウキビなど)から樹脂を生成する工程に、独自の設備やエネルギーが必要。
  • 研究開発費の転嫁: 新素材としての開発コストが価格に乗っている。

しかし、近年では供給網の拡大により、徐々に価格差は縮まりつつあります。また、単純な「キロ単価」の比較だけでは見えてこない、コスト最適化の余地が設計段階には隠されています。

トータルコストを抑える設計のポイント

材料が高いのであれば、「使う量を減らす」か「歩留まりを改善する」のが鉄則です。

肉抜き・形状最適化による使用量の削減

バイオマス樹脂は物性が従来のプラスチックと異なる場合があります。最新の設計技術やシミュレーションを用いることで、強度を保ちつつ肉厚を極限まで薄くしたり、中空構造を採用したりすることで、材料の使用量そのものを20〜30%削減できるケースがあります。

切削加工での「歩留まり」意識

特に試作段階での切削加工では、材料の大部分が「削りカス」として捨てられてしまいます。高価なバイオマス樹脂を使うからこそ、材料サイズを最適化し、いかに無駄を減らすかがトータルコストに直結します。

リサイクルとの組み合わせで実質コストを下げる

当社では樹脂材料のリサイクルを小ロットからでも受託可能です。

高価なバイオマス樹脂を使用して加工を行う際、発生した端材を「廃棄物」として捨てるのではなく、再び粉砕・ペレット化して再利用することができれば、材料の「有効活用率」は飛躍的に高まります。
一貫してリサイクルまで対応できる加工パートナーを選ぶことが、バイオマスプラ導入のハードルを大きく下げます。

マスバランス方式

物理的なバイオマス素材の置き換えが難しい(物性要求が厳しい)場合は、「マスバランス方式(物質収支方式)」で割り当てられた樹脂を採用するのも一つの手です。

これは、原料の一部にバイオマス資源を混ぜて製造し、その特性を特定の製品に割り当てる仕組みです。従来の石油由来樹脂と全く同じ物性・加工条件で扱えるため、設計変更コストをゼロに抑えつつ「バイオマス製品」として謳うことが可能になります。

まとめ

バイオマスプラスチックへの切り替えは、単なる「経費増」ではありません。

  • グリーン調達を重視する大手企業との取引チャンス
  • エンドユーザーに対する「環境姿勢」の可視化
  • 将来的な炭素税やプラスチック税への先行対策

これらを考慮すれば、現在の価格差は将来に向けた「投資」と捉えることもできます。

バイオマスプラの導入検討はニッシリへご相談ください。

「加工のすすめ」は日本で唯一のシリコーン専門商社、株式会社ニッシリが運営する加工技術サイトです。

株式会社ニッシリは、昭和26年の創業以来、シリコーンと共に成長し、現在では1500社以上のお客様とお取引をさせて頂いております。

70年間で培った製品知識や加工技術を元に、お客様の加工のご要望に寄り添います。

カセット金型・ 真空注型などによる試作や小ロット量産を中心に、 シリコーン3Dプリンターの導入や、安価な射出成型 「エポモールド」など新たな加工の開発も行っております。

デザイン・試作・量産など場面を問わず、当社独自の新工法などを用いてコスト低減のお手伝いをいたします。

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