- 2023年5月11日
- 更新日:2024年4月5日
打ち抜き加工のご紹介
みなさん。こんにちは。
今回のブログは、打ち抜き加工についてです。目新しいお話しではございませんが、当社に依頼可能な加工の一つとして紹介させて下さい。
打ち抜き加工とは?
打ち抜き加工とは、抜き型を使用して抜きたい形に素材を抜く工法です。
料理で例えると、クッキーを作る際にハート型や丸型を押しあてて生地を抜いていく作業がありますが、この作業と似たような工法です。
作りたい形状の型を作り、素材に押しあてて同じ形状の品物を何度でも抜く事ができます。
素材の種類は様々で、主にゴムシート・スポンジ・プラスチックフィルム・板金など、薄い素材の加工に使用します。打ち抜き加工の素材
【ゴムシート】
素材例:SIゴム・EPDM・NR・IR・NBR・CR・アクリルゴム・ウレタンゴム・フッ素ゴム
製品例:パッキン・ガスケット・放熱シート・防振ゴム【スポンジ】
素材例:ウレタンフォーム・ポリエステル・メラミンフォーム・ポリエチレンフォーム
製品例:緩衝材・シール材・防振材【フィルム】
素材例: PC・PET・PP・PVC
製品例:銘板・保護フィルム【板金】
素材例:圧延鋼材・ブリキ・メッキ鋼板・ステンレス鋼板・銅・アルミ
製品例:メカ部品または筺体(通信機器や医療機器等の産業機器)以上が素材のご紹介となりますが、テープの貼り合わせや加飾などの対応も可能ですので、最終製品までの仕上げが必要な場合はご相談下さい。
打ち抜き加工の方法
次に加工方法の紹介をします。
打ち抜き加工といっても様々な種類があり、素材やLOTに合わせて使い分けます。【トムソン抜き】
トムソン抜きとは、トムソン型(木型)を使用して素材を抜く工法です。
東日本ではビク型とも呼ばれるそうです。
まずトムソン型とは、ベースになるベニヤ板や樹脂板に溝加工を施し、溝と同じ形状の刃物を埋め込んだ型となり、安価に短納期での製作が可能なため試作量産共に使用されております。
そのトムソン型を使用して、品物を製作する事がトムソン抜きという工法であり、主に薄い素材や軟質の素材の加工に向いており、フィルム・ゴムシートなどの加工を行います。
逆に言えば、硬質の厚い素材や板金などの素材の加工には適しておりません。
中にはピナクル型(腐食刃型)といい刃物を溶かす事でより鋭利な刃物を作り、高精度の製品を製作する事ができる刃物もあり、条件によって使い分けております。【プロッター加工】
プロッター加工とは、カッター刃をコンピュータ制御をしてカットを行うカッティング工法です。
特徴としては、型を作らない工法のため、打ち抜き加工とは多少異なりますが、プログラミングで設定した形状にカッター刃を走らせ素材を抜く工法となります。
主に試作の際に使用する事が多く、少量・短納期対応でメリットを発揮します。
ですので、精度が求められる形状や量産には不向きな工法となり、トムソン型と同じく硬質の厚い素材や板金などの素材の加工には適しておりません。【レーザー加工】
レーザー加工とは、レーザー光を照射して素材をカットする工法となります。
レーザー加工では型やカッター刃を使用する事は無いため、イニシャル費を抑えることが可能となり、試作時や小ロット生産時に使用します。
主に板金の加工に使用する事が多いです。
ただ、他の加工とは違いレーザー光で焼き切るため、切断面が焦げてしまう事があり、紙や溶けやすい素材には不向きとなります。【ウォータージェット加工】
ウォータージェット加工とは、高圧で噴射した水を素材にあて切断する工法です。
切断方法には、水のみを使用してスポンジやゴムなど軟質の素材を切断する方法と研磨剤を混ぜた水を使用して金属などの硬い素材を切断する方法の2種類があります。
特徴としては、レーザー加工と同じく型や刃物を使用しない工法であり、熱の影響が無いため焦げや変色の心配が無く、熱変化を嫌う素材の加工に最適です。
用途としては、一点モノや試作開発等の小ロット対応に適しております。以上で打ち抜き加工の説明となりますが、最後にメリットとデメリットをご紹介します。
打ち抜き加工のメリット・デメリット
【メリット】
① 他の製造法と比較しても、製作時のイニシャル費が安い
② 短納期での生産に最適【デメリット】
① 平らな素材の加工に限られているため、立体形状の製品製作は行えない
② 厚い素材の加工には向いてない当社はものづくりの加工方法に精通しており、用途に合った加工方法・材料の提案が可能です。
製品の製作にお困りの際は、ぜひ何でもご相談ください。
“加工のすすめ”とは?
株式会社ニッシリが運営する加工技術のご提案サイトです。
当社が70年間で培った製品知識や加工技術を元に、お客様の加工のご要望に寄り添います。『素材の試作や小ロット量産をしたい』『コストカットをしたい』『企画段階からサポートしてほしい』など、様々なご要望に対応させていただきます。
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