ニッシリはシリコーン一筋「70年」
シリコーンゴムと樹脂の試作~中量生産をサポートします。
シリコーンゴムの基本的な特性
シリコーンゴムは、有機ゴムに比べて多くの優れた特性を持つ高機能ゴムです。特に耐熱性・耐寒性に極めて優れ、一般品で約200℃、特殊品では300℃の高温から-30℃程度の低温まで性能変化がほとんどありません。
実際、-50℃から200℃を超える温度範囲でも安定した弾力や性能を示します。また耐薬品性(希酸・希アルカリや溶剤への耐性)にも優れており、多くの化学物質に対して性能を維持できます。さらに耐候性(紫外線や酸素に対する耐久性)や耐水性・耐湿性、耐オゾン性、そして電気絶縁性にも秀でており、屋外や電気部品用途でも長期間劣化しにくい特長があります。
シリコーンゴムの試作時に考慮すべきこと
コスト
金型の必要のない切削加工・3Dプリンター造形・プロッター加工を基本に選び、まずは金型を使わない方法で試作コストを最小化します。
金型を用いる場合は費用の多くは金型など型の製作コストが占めます。金属製の量産型をそのまま作ると費用が高いため、簡易なカセット型などを用いて初期費用を抑える工夫が必要です。
納期
試作は製品開発のスケジュールを左右する重要工程です。一般にシリコーンゴム製品の試作には2〜3週間程度かかるケースが多く、開発現場では「試作待ち」でプロジェクトが停滞する事態も起こります。そこで、可能な限り納期を短縮するために加工法の選定が重要です。
金型製作を伴う場合は設計~加工~組立に時間を要しますが、例えば前述の3Dプリント造形や切削加工であればデータさえあれば数日で造形開始でき、全体の納期を大幅に短縮できます。
精度や仕上がり
採用する加工方法により試作品の精度や表面品質も異なります。例えば3Dプリンター造形品は積層跡により表面に段差が生じ、寸法精度や外観の点で金型成形品より劣る場合があります。一方、切削や簡易金型を用いる加工・成形では高精度な成形が可能です。
試作品の用途(動作確認か、展示用サンプルか 等)によって要求精度は異なるため、必要に応じて仕上げ加工(バリ取り・表面研磨や塗装)を施すことも検討します。
ニッシリがシリコーンゴム試作で用いる加工方法
成形、加工品の形状や個数に応じて最適な加工方法をご提案します。
シリコーン3Dプリンター
シリコーンゴムを材料に3Dプリンターで製品を作ります。
早く・安価に加工が出来ますので、形状確認用の試作や短納期で製品が必要な際に適しています。
積層による段差が表面に残ってしまうことが難点です。
【対応硬度(ショアA)】
100%シリコーン材 → 50°
シリコーンライク材 → 45°65°



切削加工
ブロック状の材料からフライスやウォータージェットを使用して製品を削り出します。
型を使用しない加工方法なのでローコストな上、表面の仕上がりは3Dプリンターよりも綺麗です。
試作・小ロット生産に向いた工法です。



ウォータジェット加工
ウォータージェット加工とは、高圧の水を細いノズルから噴射して素材を切断する加工方法です。
超高圧ポンプで水を最大数千気圧まで加圧し、直径0.1mm程度のノズルから音速の約3倍にも達する高速水流を噴射します。
特にシリコーンゴムの板材でウォータージェット加工を活用します。ウォータージェット加工には、水だけで切断する方法と、研磨材を混ぜて切断力を高める方法の2種類があり、シリコーンゴムのような比較的柔らかい素材の場合は水のみで十分加工可能です。

プロッター加工
プロッター加工(カッティングプロッター加工とも)は、コンピューター制御の刃物によってゴムや樹脂シートなどを高精度に切り出す加工技術です。元となる図面データをCADで用意し、それに従ってプロッター機が材料をカットします。
特にシリコーンゴムの薄板材料に対応し、複雑な形状でも金型無しで忠実に再現可能です。手作業のカッターナイフで材料を切り抜く作業を自動化したイメージで、試作品や1個からの小ロット製品を作る際によく利用されています。

アクリル型
アクリル樹脂で製作した型を使用してシリコーンゴム製品を成形する加工方法です。透明なアクリル材料の特性を活かし、成形中の材料の流れや気泡の発生状況を目視で確認できるため、試作段階での品質管理に優れています。
アルミ型や鋼材型と比較して製作コストが安価で、設計変更にも柔軟に対応可能です。簡易的な構造の製品であれば短期間での型製作が可能なため、開発初期段階の形状確認や少量試作に最適です。ただし、耐久性に限りがあるため、大量生産には不向きです。
アルミ型
アルミニウム合金で製作した金型を使用する成形方法で、アクリル型と本格的な鋼材金型の中間に位置する加工手法です。アルミニウムの優れた熱伝導性により、成形時の温度管理が効率的に行え、成形サイクルの短縮と品質の安定化を実現します。
アクリル型よりも耐久性が高く、数十個から数百個程度の中ロット生産にも対応可能です。また、加工性の良いアルミニウム材料を使用するため、複雑な形状の型でも比較的短期間で製作でき、鋼材金型よりもコストを抑えることができます。試作から小・中量生産まで幅広い用途に対応できる汎用性の高い加工方法です。

シリコーンゴム 硬度対応表 (ショアA)
工法 | 0 | 10 | 20 | 30 | 40 | 50 | 60 | 70 | 80 | 90 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
3Dプリンター(純シリコーン) | 〇 | |||||||||
3Dプリンター(シリコーンライク) | 〇 45 | 〇 65 | ||||||||
切削加工 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | ||||
真空注型 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | ||
コンプレッション成形 | △ | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | |||
LIMS成形 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | △ |
ニッシリのシリコーンゴム試作サービス
試作の企画・デザイン段階から設計支援を行い、試作・金型製作・少量生産・量産までトータルにコーディネートするワンストップサービスが当社の強みです。
特に多品種少量生産への対応に長けており、ニーズに応じて柔軟に少ロット品の製作を請け負っています。社内に試作モデル専門部門を持ち、顧客の開発期間短縮とコスト削減に貢献しています。
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